シルク「真絲綢」とサテンシルク「人造絲綢」の洗濯方法
※手入れ、洗濯の仕方等、ご質問がございましたので、当方、製造の専門ではありませんので、下記の文章は 社団法人 日本絹業協会 のホームページのものを、利用させて頂ました。
1.シルク製品の取扱上の注意点
シルクは美しさ、着心地等の面で優れた繊維であるが、その反面、耐摩擦性や黄変等の問題もあることから、その取扱いには十分注意する必要がある。主な注意点を列記すると以下のとおりである。
● シルクは繊細な繊維なので、着用や洗濯の際に無理な力が加わると、形くずれしたり、糸がほつれたりする恐れがある。
● 着用や洗濯の際の摩擦によって、繊維が細かく枝分かれして毛羽立ち(スレ)を生じやすく、濃色のものでは白っぽく見えることがある。
● 染色の弱いものでは、洗濯や汗により色落ちしたり、色がにじむことがある。
● シルクは紫外線を吸収し変質しやすいので、日光や蛍光灯の光に長い間曝されると、黄変したり、生地を傷めやすい。
● 絹はタンパク質繊維なので、湿気によりカビが生えたり、虫害を受けやすい。また、極端なアイロンの高温には気をつけたい。
● 汗やシミが付いたまま長時間放置すると、黄変したり生地が弱くなる恐れがある。
2.日常の取扱い
日常的な取扱いの中で、まず、心がけなければならないことは、外出から帰宅した後の手入れの仕方である。帰宅したら、ポケットの中に入っていた物を全て取り出した後に、埃をよく払う。その際、強いブラッシングは禁物であり、柔らかなブラシで織目に沿って埃を払い落す。その後、ハンガーにかけて、風通しがよく直射日光に当たらない場所につるす。これは、体のぬくもり、汗などによる湿気を払うとともに、ある程度しわを伸ばすためである。この際のハンガーは、針金ハンガーではなく、スポンジなどで覆ったものを用いないと形くずれの原因になる。ハンガーにかけるときは、服の形を整えて形くずれしないように注意する。
また、汗のシミは放置すると落ちにくくなるので、汗シミがひどいときは固くしぼった布でたたき落すなど応急処置を施して、できるだけ早く(なるべくなら即日に)クリーニングに出すことが望ましい。汗ばむ季節には、汗取りガーゼを当てる等インナーに工夫するとよい。
シミ、汚れの防止措置としてスコッチガード加工等の方法がある。これはクリーニング店に依頼すればよい。(スプレー缶も市販されているので、家庭で処理することもできるが、この場合は注意事項をよく守り、均一にスプレーすることが大切である。また、窓の開放等ガス中毒にも留意する。)
なお、しわの問題については、ハンガーにかけることによってかなりのシワは除去できるが、完全に取り去るにはアイロンに頼らざるを得ない。
3.洗濯(クリーニング)
家庭で洗濯できるシルク製品は、一重仕立てでプリーツ加工等の特殊加工がなされていないワンピースやブラウス、スカート、ワイシャツ、ネグリジェ、パジャマ、インナー、ニット製品等である。一般的にはクリーニング店を利用する方が安全である。また、サテン系のものは水濡れによって品質を損なう恐れがあるので、家庭での洗濯は避けるべきである。色落ちの心配のあるものについても、家庭での洗濯は避けるべきである。
1)クリーニング店の利用方法
[1] クリーニング店の選定
クリーニングによる事故を防止するため、クリーニング店の選定に当たっては、次の点に注意するとよい。
●シルクの特性を熟知しているか
●受付の際にシミ、汚れ、素材等を確認するか
●細かい注文にも耳を傾けるか
●保管や手入れについてアドバイスをしてくれるか
また、ボタン付けなどの補修を怠らず、仕上がり日を守るかも重要なチェックポイントである。
[2] クリーニング店に依頼するときの注意点
素材や汚れの内容によって使用する薬剤、あるいはクリーニングの方法が異なる。従って、クリーニングによる事故を未然に防止するためには、クリーニング店に依頼する際、シルク製品であること(交織、交編の場合はその素材名)をはっきり知らせると同時に、汚れの原因(種類)と場所などを明示する必要がある。場所を明示するに当たっては、かがり糸などによって汚れの場所に目印を付けておくとよい。
上下揃いのものは、一緒に出さないと出来上がりの色調が微妙に異なる恐れがあるので、必ず一緒に出すようにする。また、破れやキズのある場合は、できるだけ補修してから出す方がよい。特に、ニット類には注意する必要がある。
また、大事なシルク製品については、クリーニング店には一品洗い等の特別メニューもあるので、相談してみるとよい。
なお、シミや汚れは時間が立つほど落ちにくくなるので、応急処置ができるものは行った上で、なるべく早くクリーニング店に出すことが必要である。
2)家庭での洗濯方法
シルク製品を家庭で洗濯する場合には、中性洗剤を使用し、30℃程度のぬるま湯での手洗いが基本である。洗い方は、押し洗いやふり洗い、つかみ洗いとし、もみ洗いは避ける。汚れのひどい箇所は軽くたたくようにして洗う。
できるだけ洗濯機は使用しない方がよいが、比較的ラフな扱いのできるニット類について使用する場合は、布袋に入れた上で洗濯時間を短くするとよい。
よくすすいだ後、軽くしぼってかげ干しにする。この場合、ワンピースやブラウスなどは、ハンガーにかけて形を整えてからかげ干しにする。強く絞ったり、脱水機にかけることは禁物である。
漂白には、過酸化水素系、ハイドロサルファイト系が適しており、塩素系漂白剤(さらし粉、次亜塩素酸ナトリウム、亜塩素酸ナトリウム)は、生地を傷めるので絶対に使わないよう注意する。
なお、ネクタイやスカーフなどの小物については、リブロインなどの石油溶剤をしっとりとする程度に含ませたパン粉(ブラウスの場合コップ1杯、ネクタイでは1/2程度)と洗濯物とを清潔なさらし木綿の袋に入れ、3〜5分程度振り洗いするという手軽なドライクリーニングの方法も知られている。
4.アイロン掛け
シルク製品のアイロン掛けの場合は、必ず木綿などの当て布を当て、温度は130℃程度とすることが大切である。スチームアイロンを使用する場合は、蒸気の量を少なめにすることと、アイロンを軽く手早くかけて仕上げることが大切である。スチームアイロンは、水の汚染などによってシミになる場合があるので、アイロンの水の状態をよく調べることが必要である。この失敗を防ぐため、あて布をしたり、洗濯物が半乾きのときに乾熱アイロンを裏から当てたり、裏から霧吹きをするなどの方法もある。
シルクの耐熱性については、他繊維に比べて高い方であるが、家庭用アイロンには生地の種類に応じた温度調整装置が付いているので、絹の目盛に合わせて使えば間違いない。
また、アイロンは、できるだけ織物の経糸、緯糸の方向に沿ってかけるようにする。その際、経糸と緯糸の太さが違う織物では太い糸の方向から始めると美しく仕上がる。
薄地のブラウスなどの場合、アイロンの圧力を強くすると、モアレ(木目状の縞模様)現象が発生することがあるので注意する。また、湿った状態で摩擦を与えると毛羽立ちが生じる恐れがあるので注意する。
なお、雨や水に濡れた後に水ジミのような跡が残ることがあるが、霧を吹いてアイロン仕上げを行うとほとんど目立たなくなる。
5.保管
シルク製品の保管に当たっては、「汚れを取り除くこと」「湿気を防ぐこと」「虫食いを防ぐこと」「光を避けること」等がポイントとなり、このためには、完全にクリーニングしたものを湿気の少ない洋服ダンス等で防虫剤を用いて保管することが必要である。
6.シミの応急処置
食べこぼしなどのシミの応急処置の仕方は次のとおりであり、応急処置を施した後速やかにクリーニング店に持ち込むことが望ましい。
(1)シミの原因をティッシュペーパー等でつまみ取るか吸い取り、広げないようにする。
(2)乾いたタオルをシミの下に敷き、裏から水などで濡らし固く絞った布等で軽くたたき出し、乾いたタオルに汚れを移す(決して、擦ってはいけない)。このとき収縮や脱色に注意する。
(3)洗剤を使用する場合は中性洗剤を使い、洗剤は後で水などで十分に除去する。
(4)輪ジミを残さないよう周囲をぼかすか、霧を吹いておく。
なお、具体的なシミの種類別のシミ落しの方法は次のとおりであるが、油分の多いシミや色素の強いシミは専門家に相談する方が無難である。
サテン
タテ糸とヨコ糸の密度が高く、タテ糸ないしはヨコ糸が生地表面に多く出た素材で、光沢があり滑らかな素材感があるのが特徴。日本では朱子織りと呼ばれ、タテ糸が多く表面に出る素材を経朱子(たてしゅす)、ヨコ糸が多く表面に出る素材を緯朱子(よこしゅす)と呼ぶ。また、サテンは一般的にはブラウスやスカーフなどに使われる薄手の生地のことを指すことが多い。
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