|表紙|志満屋旅館|随筆集(目次)|写真集(目次)|聞いてきた昔話|
むかしむかし、あるところにおじいさんとおばあさんがいました。
ある日おじいさんは山へ仕事にでかけました。お昼近くなっておなかがすいたのでおばあさんに作ってもらったおにぎりを食べ始めましたが、ポロリ、と一つ落としてしまいました。「あーあつちまみれ」。
なんとなくまだおなかがすいているおじいさんが、ふっと下を見るとそこにうまそうな鳥がいました。そこでおじいさんはその鳥を食べてしまいました。”うんとうまかった”だって。
いちにち働いておじいさんは家に帰り、おばあさんと話をしていると、おじいさんのおなかのあたりがむずむずします。なにか虫でもいるのかな、と思ったおじいさんがおなかをさわってみると「ぴん」と音がします。?あれ?おへそのあたりでなにかが鳴きました。おじいさんは今度はおへそのあたりを眺めながらさわってみました、すると「ぴん」とまた鳴きました。「おばあさん、おれのおなかは鳴くよ。」
おばあさんは「そんなことがあるんですか?」ときいてきます。そこで、おじいさんはもう一度今度は強くおへそのところを引っ張りました。すると、そのとたん“ぴぴーんピヨドリ ヒゴヨのオンタカラは、ちょいっと もちゃ ぴん ぴん ぴイぃん”と大きな音でおへそが鳴いたのです!「ひぇえぇ」二人はびっくりしたあとおかしいくなってしまいました。それにその鳴き方がなんともおかしいではありませんか。「おじいさん、もう一回聞かしてください」とおばあさん。「おお」とおじいさんはまたおへそを・・するとまた“ぴぴいんピヨドリ ヒゴヨのオンタカラは、ちょいっと もちゃ ぴん ぴん ぴいぃん”もう二人はおかしくて何回も繰り返してたのしんでしまいました。それからというもの、おじいさんの家には近所の人やこの不思議なおじいさんのおへその話を聞きつけたまわりの村の人たちなどが毎日のようにきました。そのたびおじいさんは嫌がりもせず自分のおへそのでっぱりをちょっとつまんだりぐうんとひっぱったりして皆を面白がらせていました。
それからしばらくして、この話を聞いたおとのさまが「そんなことがあるなら実際にきいてみたい」とおっしゃったので、おじいさんはとうとうお殿様のまえで自分のおへその不思議な現象を披露することになったのです。
そうして本当におへそが“ぴぴいんピヨドリ ヒゴヨのオンタカラは、ちょいっと もちゃ ぴん ぴん ぴいぃん”と鳴くのを聞いたお殿様からおじいさんはおみやげをいっぱいもらっておうちにかえりました。そしておばあさんとしあわせにくらしましたとさ。おしまい。