今、炭がいろいろな側面から見直され、一種のブームになっています。
先日もテレビで住宅リフォームに炭を使う場面が映され、人気番組の「DASH村」でも炭焼き窯を造るところから、
炭焼きが成功する所まで放映していました。
現在、炭は料理用の燃料から、水質の浄化脱臭、緑化などの環境保全や農業などでも利用されています。
炭焼き時に出る、木酢液についても、広く利用されるようになってきました。
我が家でも間伐材が山に放置されていたので、それで「炭」を焼いてみようと思い立ったのでした。
「DASH村」のような本格的な炭焼き窯は造れないので、誰でも簡単にでき、用意する資材もすぐ手にはいる
原始的な方法で挑戦してみました。
1.「伏せ焼法」
伏せ焼は、畳一枚分の広さを深さ30cm〜50cmほど掘り起こし、6〜7時間で炭化を終わらせる炭焼き法です。
● 用意する資材
トタン板、一間のもの2枚。一枚は煙突に一枚は炭材にかぶせる。
丸太 、敷木用のもの2本
耐火レンガ 、10〜12個くらい。窯口をつくる。
● 道具
スコップ・ノコギリ又はチェーンソー・オノ又はナタ・熊手・温度計・ペンチ・軍手等
@ 窯を造り、敷木をならべる
窯の位置は、窯口から風が吹き込むように設置する。
方向が定まったら、縦2m、横1mの長方形の穴を掘る。深さは30cm〜50cm。
窯口を低くして、奥に向って5度の上り勾配にすると風通しがよくなる。掘り出した土は盛土として窯に
かけるので 穴の 両側に盛り上げておく。
穴がほれたら、風の吹き込む方を窯口、風下を煙突口として、敷木を並べて土台にする。
敷木は炭材が直接地面に触れないためと、通気を確保するためのもの。
直径10cmくらい、長さ1.5mの生丸太が良い。
A 窯口・排煙口を造り、炭材を積む
空気の流れをよくする為に、窯口は煙突口よりも少し低い位置につくる。
トタン板をまるめて、針金で留める。煙突の地面に接する側に排煙口として一辺10cmくらいの穴を開けておく。
煙突の切り込み口を、敷木の高さに合わせると、効率よく空気が流れ、炭材もすべて炭化するようになる。
炭材を敷木の上に横に並べていく。炭材は太さ5cm前後、長さ50〜60cmに切り揃える。
下に炭化しやすい細いもの、中央部に太いもの、上のほうに点火しやすい細い木材をのせる。
細いものから順に隙間なく並べていくのがポイントである。
全体で三〜四段程度、高さ30cmぐらいまで積み重ねる。
炭材を並べ終えたら、枯れ草、枯れ葉などを隙間なくこんもりとのせて、窯全体をおおう。
厚さは15〜20cmぐらい。
窯の側面や炭材の間、煙突の周囲などに隙間なく入れていき、こんもりと全体をおおう。
B 窯全体に土を盛り、火入れをする
こんもり盛った枝葉の上からトタン板をかぶせる。トタン板の大きさは、窯の幅よりもはみ出さない事。
炭化が進むと、炭材の体積が減る為、窯全体が沈んでいく。
トタン板をかぶせたら、その上から両側に盛ってあった土をかぶせる。厚さは15cm以上。
これで伏せ焼き窯の完成。穴を掘り始めてから娘と二人で約2時間で終了。
窯の用意ができたら、窯口に火を入れる。火付きの良い枯れ葉や枯れ草を適量入れて火をつけ、点火したら
細い小枝などをくべ、だんだん太い木を燃やしていき、火に勢いをつける。
なかなか点火しないこともあるが、根気よくあおぎ続けること。

窯口を狭めて炭化中
C 火止めをし、炭出しをする
煙突から出てくる煙の温度が70〜75℃。煙突に手をかざすと、じっとしていられないくらいの熱さが
窯口を狭める目安。 窯口に耐火レンガを組み合わせていれ、通気口を残して土でふさぐ。
6〜8時間くらいで炭化が終了する。ここで窯口全体をふさぐ。
窯口をふさいだのち、約30分間煙を外に出し続ける。ここで十分煙を排出させないと、炭にタール分がついてしまう。
煙が十分に抜け切ったころを見計らって、軍手をはめ、煙突を一気に引き抜く。
引き抜いたあとの排煙口は土をかぶせて密封する。
窯口と排煙口を閉じてから、半日以上かけて窯が冷えるのを待つ。
土を取り除き、炭を取り出す。十分にさましてから収納すること。
D 結果と反省点
今回の炭焼きでコンテナ一箱半の炭ができました。市販されているような良い炭ではないけれど、家庭で
利用するには 十分 な炭です。
使用した炭材が柔らかい木だったこと(松)、伐採してから時間が経っていて乾燥が進んでいたので炭化の
時間をもう少し 短くしたほうがよかったこと。
初めての挑戦にしては思っていた以上の結果が得られたと満足しています。
煙突から立ち上る煙の匂いは、はるか子供のころ、私が生まれ育った田舎の古老が何日もかけて焼いていた
炭焼き窯の 懐かしい匂いと同じでした。
手伝ってくれた中学生の娘に自分の子供のころの思い出話しをしながら作業ができた楽しい一日でした。
今回、さらに原始的な炭焼き法である「穴焼き」にも挑戦しましたが、こちらは失敗しました。
「穴焼き法」は庭先や空き地などに穴を掘って、小枝を燃やしてオキ火をつくり、炭材をいれて炭化させるという
やり方ですが、オキ火が少なくて火力が足りなかったのか炭材に点火しませんでした。